第一線で活躍する建築家が、優れた建築を生み出すことに貢献しうる製品を選出

準耐火構造外壁板「火バリ」が、「みらいのたね賞」を受賞

岐阜県JAS製材品等供給利用推進組合の「火バリ」が、2021年度「みらいのたね賞」を受賞しました。
この賞は建築家が選ぶ、優れた建築を生み出すことに貢献しうる製品、未来への布石となる製品に贈られる賞です。

主催
  1. 一般社団法人日本能率協会 「みらいのたね賞」選考委員会
選考員
ゲスト選考員 小堀哲夫建築設計事務所 建築家 小堀 哲夫 氏
選考員 一般社団法人 HEAD 研究会 理事⻑ 松永 安光 氏
選考員 山本想太郎設計アトリエ 代表 山本 想太郎 氏
選考員 山本想太郎氏の選評

私たちが都市の建築空間で目にする木材の大半は、化学的に加工された、自然木とはまったく異なった性能をもつ建材である。そのようなものを見るたび、それが木であることは本当に求められているのか、木というものの価値は一体何であるのか、と考えさせられる。ところがこの「火バリ」は、薬剤処理を施さない木材をそのまま用いて準耐火構造の外壁材と認定されているということにまず驚かされた。いわゆる「燃えしろ設計」(想定される火事で消失する分を予め見込んで木材寸法を大きくすること)の考え方で、厚さ30mmの木板と背後のボード・下地の複合で準耐火性能を確保するというものである。
木が本来持っている物性をそのまま使うこのシンプルな発想こそが、人間の感覚と共鳴する建材を生みだすのではないだろうか。木と人の距離を近づける製品である。

シンポジウム意見
  1. ムクの木そのままで準耐火構造の認定をとっている
  2. 現在市場にある耐火材はほとんど薬剤などで加工しているが、わざわざ木だけで開発しようとした意味が伝わってくる
  3. 塀も本来、木であるべきものがいつの間にか、見た目「木」でも他の素材になっている
  4. 木の燃えやすい・反る・クラックなどマイナス面の性質を、厚くすればこれらをクリアできることが分かり、目からうろこが落ちたようだ
  5. 偽物ではないムクの厚い木を使えば貫禄が出る
  6. 木に向き合っていないから偽物がでてくる、新しい発想で木を見つめなおすことが大事
Q&A